猫と微睡と昼下がり

 

猫を飼うことにした。名前はまだない。
朝也とSunMyshunoに引っ越してきて、一年と数ヶ月、都会で退屈はしないけど、朝也の仕事の忙しさったらなくて、俺は一人でいた頃より寂しがりになった。
ペットショップで一番、ソワソワしていたのがコイツ……。
沢山あるケージを見て歩いた中で、一度も目を合わさないくせに通り過ぎるとジッーと俺の背中を見送っている。バァーカ、バレてんだよ、と家に連れ帰ることにした。

「片付けも終わったし、汚れたシーツを洗おうね……っ痛!髪、髪に爪、引っ掛かってる!」
肩を揺らした俺に強烈な猫パンチを食らわせたナルシストは好奇心旺盛なまぁるい眼をカっと見開いて、鏡に映る自分にファイティングポーズをキメて見せた。
「何、その『ボク、イケてる?』って顔……」

「みゃ~お。お前また、床、ガリガリしただろ。爪、痛むよ?」
膝に抱いて、ネットで見つけた爪とぎグッズをやっぱり買おうなんて思いながら、すっかり打ち解けた猫が可愛くて、最近の俺は猫の絵ばかり描いている。
「張ったばかりのカンパスもダメにしてさ。トボけた顔して、そっぽ向いてもダメにゃあ~?」
チョンと指先で頭を突いたら、ミ゛ャと濁声が返ってきた。

猫が温かいから、だんだん眠たくなって、欠伸をしたところで猫もグェと喉を鳴らし大欠伸をひとつした。シンクロするぐらい仲良しになったって思っていいのかな?
「お前の名前、カエサルとかどう?」
って言ったら、ジロリと睨んで「ブェッ」なんてヘンな鳴き声をあげたから、却下されたんだと思う。それとも……、
「英雄の名に臆したか?」
         

「少し眠ろうか……」
抱き寄せて、生命の心音に触れる安らぎ……、やっぱ、可愛い。
「ねぇ……、朝也、今夜も遅くなると思う?」
ゴロゴロと喉を鳴らして、パタ、パタリと尻尾だけを左右に振った。
「ちょっ、そんなトコ押さないで。俺、乳首弱いの昨夜、見てたじゃん……」
「ニ゛ャ」
「そこは返事するんだね……」
やわらかな肉球に悪戯されて、朝也の指には遠く及ばないけれど、くすぐったくて堪らない。
「猫、お前、確信犯だろ……」
落ち着く先が決まったのか猫の手が止まり、とても静かな時間が流れていく。
すかした窓から心地よい夏の終わりの風が吹き抜けて、俺はそっと目を閉じた。

 

「きっと、また、明日もシーツを洗うんだろうね……」
ニャーと鳴く声がする。

猫と微睡と、昼下がり……。

 

*thanks all CC creators!
 猫のシーザー by mooさん
 ポーズ by mocさん

モーさん家の可愛い猫シーザーちゃんとモックさんの可愛いポーズをDLさせていただいた記念♡
にやにや撮ってた私の画像に相方の宙水がSSを付けてくれました(*´д`*)ありがとー!

宙水(おきな)

★この記事を書いた人★
本館・創作BL小説サイト「Attic.」の物書き。シムズは未プレイ。
たかみんが創るシム画像に文章を添えたり、企画物で創作のお話を書いてる事が多い。
普段は本館でメインの創作BL小説を書いている。 好きなアイスのフレーバーはバニラ!
本館で宙水のお話をもっと読む→

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